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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.25
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2007.01.22
10年後マフィア設定。
山ヒバなのに山本がほとんどいないって言うね。
代わりにリボンちゃんがいるっていうね。

しまったと思った瞬間にはもう遅くて、目に移るすべてがやけにゆっくりに見え
た。
僕に向けられた銃口から放たれた弾が僕の身体を貫いて、その衝撃に僕の世界は
反転する。
「ヒバリ…!!」
声が聞こえた。誰の声?わからない。
崩れ落ちるその間でも見開いていた目の奥に焼き付く空の青。
其処に浮かぶ浮かぶ一つの笑顔。響く声。
『ヒバリ』
―――あぁ、やだな。
最期に思い出すのが君の顔だなんて、気にくわなすぎる。沢田綱吉の言葉じゃな
いけど、こんなの、死んでも死にきれないよ。
狭くなる視界。宙にいる彼が遠くなる。
跡形もなく消えてしまう前に、僕は小さく彼の名を呼んだ。
「   」
彼に届いたかな。届くわけがない。わかってる。だって僕にも届かなかったから

瞳のなかの彼が、消えた。


(愛してあげればよかった。与えられたもの全部)
そんなこと後悔する日が来るなんて、思ってもみなかったよ。


「う…」
意識が覚醒して、僕は目を開けた。一面青空だったはずの僕の視界に見知らぬ天
井が広がる。
「…っ」
身動ぎしようとしたら左肩に痛みが走った。撃たれたのは此処だったようだ。
命に別条もなさそうだし、少しクラクラするのはちょっと血を流し過ぎたからか

「お目覚めか?」
聞こえてきた声に視線を向ける。
「リボーン…」
「ヘマしたな。あれから丸二日寝てたんだぜ」
「………」
ニヒルな笑いがイラついたけど反論しても無駄なので僕は口を噤んだ。
「山本、向こうさんも立て込んでたらしいが明日には此処に着くぜ」
山本武は今僕とは別件で動いて、外国にいるはずだ。そしてこの件と彼は何の関
係も無い。
「…どうして彼が出て来るの?」
「おまえのご希望じゃないのか?気ぃ失う前にあいつを呼んだじゃねぇか」
「…呼んでないよ」
「そうかぁ?でももう呼んじまったから来るぜ」
「………」
「んな睨むなよ」
リボーンに此処までの殺意を抱いたのは初めてかもしれない。
寝返りすらうてない身体が憎らしい。酷く不愉快な気持ちで僕は視線をリボーン
から外す。自由にできる右腕を額に当てて視界を覆った。
「―――……僕を撃った奴は?」
「俺が殺した」
「…そう」
「自分で殺りたかったか?」
「そうだね。殺しても足りないくらい忌々しいよ」
「はっ」
リボーンが鼻で笑うのにも構わない程、苛立ちは募る。
ずっと見ないフリ気付かないフリ、抱いてすらいないフリをし続けていた感情を
こんな形で僕に見せつけてくれた奴はもうこの世にいない。
矛先を失った苛立ちは僕の中に渦巻いて胸を焼く。
「―――…出てってくれる?」
「はいはい」
悪戯な笑みを湛えている声も聞こえなかったことにする。
「………」
腕がだるい。不意に僕の髪を撫でる指先が脳裏によぎった。
『大丈夫か?』
僕が寝てて彼が人の髪を勝手にいじって。いつの話だっけ。そうだ。僕が風邪を
ひいた時、頼んでもないのに側にいた。
『甘えたり、頼ってくれて全然構わねーし』
そう笑った彼を思い出した。その時僕は馬鹿じゃないのって嘲笑ってやった気が
する。こんな日がくるなんて、思いもしなかったから。こんなに、彼が僕のなか
にいるなんて思いもしなかったから。
『明日には此所に着くぜ』
「………」
彼が此所に来たら、真っ先に言ってみよう。


「僕君のこと好きみたい」


そう告げた時の彼の顔はちょっとした見物だった。

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