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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
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2007.01.22
これを没にして雪だるま山ヒバ(大雪の仮タイトル)になったのですな。
迷走してる。霜が。マフィアものと被ってたから。
好きやねん。別れ話。
でも描きながら「私はラブソングでも書いてるのか。作詞家なのか?誰か曲付けてくれ」とか思ってた。
だいぶ頭がキてますね。

旧ゴミ箱からサルベージ。

あの日君が吐いた嘘。
「俺、ヒバリのことが好きなんだけど」
あの日僕が吐いた嘘。
「僕も、君のことが好きかも」
あの日互いに吐いた嘘。そこから既に間違っていたんだね。きっと。
それでもあの日、僕らは笑ってたよね。


「かもってなんだよかもって」
「かもはかもだよ。それともなに?僕は君のこと嫌いだよとでも言って欲しいの
?」
「いや…、かもで十分です」
「そう」
「…んで」
「で?」
「俺とお付き合いしてくれますか」
「………」
「結婚を前提に」
「死んでくれる」


だって遊びで言ってんじゃねーからと彼は言った。
何処をどう考えたら今の世の中で中学で結婚を前提、それも男相手にそういう話
を持ち出せるのかと僕は呆れた。
呆れて鼻で笑ったら、彼は叱られた後許してもらった子供のようにぎこちなく笑
って、それから馬鹿みたく明るく笑った。


まだ10年とちょっとくらいしか生きてなかった僕らは好奇心を愛と勘違いして違
和感を隠したまま戯れた。
始めから噛み合ってない歯車を無理やり回し続けたら破綻するのは目に見えてい
たのに、ついには悲鳴をあげる現実に耳を塞いで僕らは目を逸らし続けたね。
僕らが見ていなかったのは現実だけじゃない。
僕らは互いのことすら見てはいなかったんだ。
背を向け指先だけ絡め合いながら僕らはずっと側にいて、月日は流れ指先は今に
も解けてしまいそうになりながらも必死で儚い絆に縋ってた。
だけどそれももうお終い。
君も気付いてるよね。君、いつから笑ってないかな。僕が疎ましく思いながらも
ほんの少しだけ気に入ってたお気楽そうな脳天気な笑顔、最後に僕に向けたのは
いつかな。
答えられないくらい、だいぶ昔の話でしょ。
だからもう、僕は君にさよならをあげる。綺麗な包みもないけれど、君はどうせ
破いちゃうだけだろうから丸裸のままで。


「そっか…」
さよならを告げた僕に、彼は寂しそうに笑った。
「うん」
僕はそんな彼をじっと見つめた。
「何を…、間違ったんだろうな。俺らは」
ぽつりと彼は呟いた。僕はそれを途方もない疑問のように感じた。
「………」
「どうして、間違えちまったのかな…?」
本当に、本気で、俺はヒバリのこと好きだったんだぜ。本当に、嘘じゃない。
俯いて絞り出すように彼はそう言った。
小さく震えてる肩。そんな彼が愛しく思えて抱いてあげたくなったけど、そんな
ことをしたら僕らは益々ダメになってしまうと思ったから、僕の手は真っ直ぐ地
面を指差したままにした。
「僕も、君のこと、好きだったよ」
かもなんかじゃなくて。だったじゃなくて。きっと、今も。君もそうだろう。
心の中でそう呟いて、別の言葉を音にした。
「…じゃあね」
俯いたままの彼に僕は静かにそう告げて、彼から目を逸らし閉じていた扉に手を
掛けた。
彼は何も言わない。
『嘘じゃない』
「………」
脳裏に響く彼の言葉が僕の手を止める。
僕は一度固く目を閉じると、ゆっくりと目を開けて扉を開いた。


さようなら、僕が愛した君。本当に僕が君を愛してた証に君がいつしか僕を忘れ
られるように。
君が流してる涙を、僕は気付かなかったフリをしてあげるよ。
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