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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
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2009.08.02
つまり高杉が病んでるっぽいんだね!







全ては膜に包まれている。



朝食に出された目玉焼きを見て、高杉は思う。
(この薄い膜を破れば半熟の黄身がとろりと溢れ出る)
それを白米の上に乗せれば黄身が白米に絡み、銀時が旨いと自分の作った目玉焼きを自画自賛する。それが二人の日常だ。
だが高杉の思考は現実から乖離したところにあった。
(これは生命じゃねぇが、単細胞生物以外の命あるものを系、器官と区切っていけば最終的にたどり着く最小単位は細胞だ。人体もそう。俺らは細胞の集まりで出来ている。そして細胞の中心にあるのは核。もし自分とは異なる存在と一つになりたければ膜を裂いて溢れる細胞液のなかから核を取り出してその核と融合しなければ真に一つになったとは言えねェんじゃないか。そう思うとガキってのは他者と他者が一つになった真の融合体と言えるわけか?そいつは奇跡と言われるわけだぜ。あぁでも融合体が自分と別の存在じゃ仕様もねぇな。俺が、俺自身が溶け合って一つになっちまいてぇのに)
自分でも何を考えているのか分からなくなりながら、それでも高杉の望むものはただ一つだった。



「高杉?」
呼ばれてそちらに目を向ける。瞬き一つせずに目玉焼きを見つめる高杉を訝しく思ったのだろう。
銀八はほんの少し首を傾げるようにしながら高杉を見下ろしていた。
「どうした?」
言いながら白米が盛られた茶碗を高杉と自身の前に置き、銀時は席についた。
高杉はしばらく返事もせず銀時を見つめていたがやがて目を細め唇を吊り上げる。
そしてナイフを手に取った。
「別になんも」



黄色い目玉に突き立てる。裂かれた膜の隙間から、溢れ出した黄身はそれはそれは美味そうだった。
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