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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
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2007.12.15
別れよう。
そんな言葉を電話越しに言うから俺はムカついて今すぐ会いたいと駄々を捏ねた。
通話口を叩く土砂降りの雨音に紛れ、銀時が溜め息をついたのがわかった。
待ち合わせた場所はもう雨が上がって月も出てた。明るい街灯が俺らを照らし出す。
銀時はさっきから馬鹿の一つ覚えみたく「ごめん」を繰り返してる。それ以外なんか言えねぇのかよ。
俺はずっと銀時を見ているのに目が合わない。
もう俺のこと見るのすらヤなのかよ。
そう言ってやろうかと思ったけどそんなこと言ったら泣かせてしまうかもしれないと思ってやめておいた。
あぁもうダメなんだって、すとんと理解した。わかんなかった問題がすんなりわかった時みたいな感覚。
なんで?
そんな問い掛けももう無意味だろう。きっと答えなんて返ってこない。
愛されることに慣れてたのかな。なんで勘違いしたんだろう。捨てられることなんかないと漠然と思ってた。所詮俺らは他人なのに。
「もういい…」
俺はそれだけ言った。ただそれだけの一言に、銀時の目は泣きそうに揺れた。けど、その目から涙が零れることはなかった。
「ごめんな」
最後にぽつりと、そう呟いて銀時は離れてく。俺はただそれを見送る。縋ったり、引き止めたりはしなかった。銀時も、決してこちらを振り返らなかった。
姿が見えなくなる。あぁ俺ももう行かなくちゃ。わかってる。わかってるけど。



この場から動けないのは俺の方だった。

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