忍者ブログ

いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007.12.10
愛されるということは とても怖いことだ



大した荷物は持たず、代わりに通帳とカード、部屋に溜め込んでいた有り金全部を持って家を出た。
駅に向かい、券売機で一番高い切符を買う。そこがどんな場所だか、高杉はよく知らない。行ったこともなかった。
改札を通り、しばらくホームに座りぼんやりしていた。不意に携帯が振動して、見れば番号が表示されている。名前じゃなくてもわかる。銀時からだった。
「何だよ」
『…おまえさ、ハイ、とか、もしもしくらい言えよ』
「うっせぇな。なんだよ」
『や、何してんの』
「別に、なんもしてねぇ」
ホームにアナウンスが鳴り響く。
『何、おまえ駅にいんの』
「そうだよ」
『何処行くの』
「…さぁなぁ。何処だろうな」
『は?なんだよそれ』
訝しげな銀時の声に高杉は反対のホームに目をやった。電車が入ってくる。騒音で電話の声はかき消された。次いでこちらのホームにも電車が来ると告げられた。
高杉は足下に置いてあった鞄を手にゆっくりと立上がり、通話口に言った。
「なぁ銀時ィ」
『何』
「じゃあな」
『は?オ…』
耳から電話を離し、回線を断ち切った。
電車がホームに入って来る。一瞬遅れて風が高杉の髪を撫でる。
「じゃあな、銀時」
高杉はもう一度呟くと携帯をゴミ箱に投げ捨てた。履歴もアドレスももう既に全部消してある。あぁ最後にかけられた銀時の番号は残ってしまっているな。けどまぁいいだろう。
「…さよなら」
ゴミ箱に向かって呟くと、高杉は開かれた電車に乗った。



愛されるということは とても怖いことだ
幸せに満たされることで 溺れてしまう気がする
だから逃げるんだ 傷ついてしまう前に 失ってしまう前に
行き先なんてどうでもいい ただお前がいなければ
愛してる 愛してる愛してる 俺も おまえを けど



さようなら 俺を愛してくれた人



*―――――――――――*
その後、愛の力で銀時は高杉を探し出すと思う。

こういう突発妄想が頭をふわふわしてるのが現状。
PR
Post your Comment
Name
Title
Mail
URL
Select Color
Comment
pass  emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
この記事のトラックバックURL:
  BackHOME : Next 
最新記事
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
プロフィール
HN:
千寿
性別:
非公開
カウンター
アクセス解析
アクアミュージアム
Aqua Museum

いろいろ置き場 wrote all articles.
Powered by Ninja.blog / TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]