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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
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2007.04.14
───遠く、雨音が聞こえる。

深い森の中を銀時は一人歩いていた。足は自然と進み、自分は少し遠くから見つめている感覚。まるで夢を見ているようだ。
葉を伝い落ちる雨粒は大きく、銀時の肌を撃ち弾ける。
急に視界が開ければ、なにもないその世界にぽつんと佇む後ろ姿が其処にはあった。


「ー…ん、銀ちゃーん、起きるアルヨー」
「…んあ?」
頭上から降り注ぐ声と瞼越しにもわかる陰に銀時は目を覚ました。
朧気な視界が澄み渡れば自分の顔を覗き込む神楽と目が合った。
「あっ、銀さん起きましたか。もー、雨が降ったら窓閉めてくださいよ。降り込んで水浸しじゃないですか」
雑巾とバケツを手にした新八が窓際に立って銀時に文句を投げ付けた。
だがそんな言葉も寝起きでまだはっきりと覚醒していない銀時には意味を成さない。
銀時は無造作に頭を掻きながら欠伸をした。
「うっせーよ。朝からぎゃーぎゃー騒ぐなって」
「銀ちゃん、雨で銀ちゃんのジャンプ全部びちょびちょヨ」
「マジでか」
「自業自得ですよ。ってかだいたい今、朝じゃないですし」
「あ?」
言われて時計を見れば時計はもう昼であることを告げる。
だんだんと銀時の頭が現実に戻って来る。
そうだ。新八と神楽に買い物を任せて自分はソファに寝そべりジャンプを読んでいたんだ。
そうしてるうちに瞼がだんだんと重たくなってきて眠りに落ちてそれから―――。
脳裏に過ぎる、儚い残像。
それは夢と呼ぶには余りにリアルで、銀時の目に焼き付いていた。
そう、あれは夢などではない。あれは───。
「―――………」
絶え間ない雨音は今も変わらず世界を包み込んでいる。それが忘れていた過去の記憶を呼び起こしたのかもしれないと銀時はぼんやりと思った。
「銀ちゃん?」
「あ?…あー、飯にすっか。今日の当番はてめーだろうが神楽。さっさと作れや」
「今日は鮭のふりかけご飯ヨ」
「おめーもいい加減おかずの作り方くらい覚えろよ。新八ん教われ」
「銀ちゃんが教えてくれてもいいアル」
「めんどいから却下だ。俺に教わりたきゃ俺が作ってんの見て覚えろ」
「銀ちゃんがご飯作ってるときに台所入ると人のこと邪魔もの扱いするヨ」
「そりゃオメーが邪魔なところにいんのが悪いんだろーがよォ」
「あーもうハイハイ。言い争いはやめて下さいよ。神楽ちゃん、ご飯作って」

*~~~(略)~~~*

濡れたネコと目が合う。
「濡れてなきゃ、いいけどな」

*───────────*
攘夷の頃に、銀さんが雨の中一人立ってる高杉を見つけたことがあってそれをずっと記憶の奥にとどめててさ。
今になって雨音が記憶とリンクしてそのときの夢を見るの。
目が覚めてあの頃じゃない、現実にいるんだってわかってるんだけどまだなんとなく夢うつつでね、窓の外を見るの。
ネコにゃんが濡れて萎んでて、それにあの日の高杉を重ねて、銀さんは今の高杉が濡れてなきゃいいけどなって思いを馳せる。

っていうのを書きたかったんだけどずーっとずーっと書き途中のまま完成する目処がたたないからゴミ箱いき。
「濡れて萎んだネコ 君に重ねて」っていう歌詞にインスパイアされた。まんまだね。「雨のオーケストラ」って曲。ムック(not六道骸)の曲でっす。


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