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いろいろ置き場

なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。

2025.06.26
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2007.04.29
本当は、わかってたの。
十四郎さんが、私のこと、連れていってはくれないことくらい。
わかってて、言ったの。
自分だけ楽になりたくて、貴方に気持ちを押しつけたの。優しい貴方は、たとえ心の片隅にでも、私を置いてくれるんじゃないかって、打算的な意図もあったの。
あの日貴方が振り返ってくれなくて、本当に良かったと思ってる。
もしも貴方が振り返っていたら、私、私ね───。


そーちゃんのお手紙は毎月絶対に送られて来る。
其処に綴られている日常に、思わず私は頬を緩めるのだけれど、いつもあの人についての表記はないか、あっても驚くほど少ないものだった。
それが何を意味しているのか、私は気付かないフリをしていた。
時折こちらから電話をかけても、あの人が出ることはまずない。それに私は少し残念な気と、安堵の気持ちを抱いていた。
だから、電話越し、あの人の声を聞いた時は心臓が止まるような気がしたの。
『はい』
無愛想な声に私は思わず息を飲んだ。咄嗟に言葉が出て来なくて、反応を返さない私に受話器越し少し苛立つ気配を感じた。
『誰だ?』
乱暴な言葉遣い。私だから構わないけれど、もうお侍さんなんでしょう、お偉いさんからの電話だったらどうするの。全く仕方のない人ね。
「私です。ミツバです」
なんとかそう言えば今度は向こう側が沈黙した。私も思わず押し黙る。
そうしていると向こうから先に言葉を切り出した。
『総悟なら今出てる。急用ってんなら呼び戻すが、そうじゃねぇんなら…』
「えぇ、いいの。全然急用じゃないから。総ちゃんが元気にしてるか、声が聞きたかっただけだから」
『そうかい』
じゃあと電話を切ろうとするのを感じて、私は思わず声を上げてた。
「十四郎さんは…!十四郎さんは、…元気にしてる?」
すぐに何を言ってるのだろうと思ったけれど、一度言ってしまった言葉はもう戻せなくて、私がこんなことを言い出すとは思ってなかったのか、十四郎さんはまた少し黙り込んだ。
「…あぁ。近藤さんも、総悟も、皆元気にやってらァ」
「そう…、それならいいの」
「あぁ」
それきりまた会話は途切れる。互いに電話を切るタイミングを逃してしまったようだった。
それから少しして、沈黙を破ったのは十四郎さんだった。「…おめぇは元気にしてるのか」
「………」



×××××××××××××××
なんかもう何処までどう書けばいいのかわからないわ。
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