いろいろ置き場
なんか暗かったりするのが多いよ。あとは気に食わないから表に置こうとは思わないんだけどせっかく書いたからとかいうもの置き場。
もう眠りたい。
たどたどしい言葉に俺は目を向ける。
今にも閉じそうなくせにぼんやりと開いている眼が俺を映していた。
「寝りゃいいじゃん。止めねーし」
「…眠れねーんだよ」
俺の返事がお気に召さなかったらしい高杉は眉を寄せた。
「寝れりゃてめぇになんか声をかけねぇ」
「そりゃずいぶんないいぐさだな」
「ん」
寝そべったまま、俺に向けて伸ばされた手を俺は一瞥する。何を求められているのか知っていながら、俺はその手を取って引き起こすと軽く口づけ、大分細く、軽くなってしまった体をあやすように抱きしめた。
「銀時」
抵抗がないのをいいことに咎める声にも構わず俺は手のひらで高杉の目をふさいだ。長めの前髪が俺の指先をくすぐる。
「黙って、目ぇつぶってろよ」
「………」
珍しく俺の言うことを聞いている高杉は本当に弱っているのだと思う。もう何日眠っていないのか、俺は寝ているから知らない。
大人しく腕に納まっている高杉の黒髪に顎を乗せて俺は戸棚の扉に目をやった。
高杉が俺に求めた薬が奥にしまいこまれている。眠るための薬。医者から処方された正規の薬。
前に高杉がなかなか眠れないと苛立ちに任せて処方された分すべてを摂取したことがあって、その時は本気にこいつが死んだかと思った。それ以降、仮に医者が出したものでも俺が奪い取って隠している。
あの後頭痛と吐き気に苦しみ悶えまくってたくせに、きっとこいつは何度でも同じことを繰り返すと俺は思っている。
学習能力云々の話じゃ、ないんだ。こいつが悪いわけじゃ、ない。
「………」
触れた直後は低めだと感じられた高杉の体温が俺になじんでまどろみを誘う。
俺の方が眠くなってきて、高杉はもう寝れたのか声をかけようかと思ったけれど、それで起こしてしまっては詮無いので声はかけない。
目を閉じて、眠りに落ちた。
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「揺らぎ」と同じ世界観で。
病み杉がマイブームです。なんだぐだっとしてんの、萌える。
おまえの良いところも、悪いところも全部映し出す鏡。
でもなれなかった。
俺はひび割れ、映り込んだおまえを歪めてしまう。
(ひび割れた鏡は不吉なだけだから、だから黙って消えてあげるさ)